株式会社査定コンサルティング

生命保険査定業務・教育研修等を総合的にサポート

HOME > 未分類 > ◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 12◆◇ 2009.11.09

◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 12◆◇ 2009.11.09

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加齢黄斑変性症
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
黄斑は、眼の網膜の中心部にあり(直径2mm厚さ0.2mm)、視細胞が集中する
最も重要な部分です。ものを見たり、色の判別を行ったりする働きがあります。
網膜の外側には栄養血管に富んだ脈絡膜が外周を包み込むようにあります。
黄斑変性は、この脈絡膜からの異常な新生血管が原因で生じる「滲出型」と、
黄斑自体が変性してくる「萎縮型(非滲出型)」、「特殊型(ポリープ様)」に
分けられます。 130ある難病疾患の一つです。
症例の大部分は滲出型(ウエット型)で、各種治療法はありますが、急激な視力低下
や失明の原因でもあり、視力に関しての予後はよくありません。
萎縮型(ドライ型)の治療法はまだありませんが(臨床試験段階)、老化現象のため
進行が穏やかで視力低下も軽度である事が多いです。

疫学(有病率・罹患率・男女比)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アメリカでは65歳以上の失明原因の1位、日本では3位です。
久山町研究※では50歳以上の0.87%に加齢黄斑変性がみられ、このうち滲出型は
0.67%と多く、萎縮型は0.2%でした。
加齢と共に有病率が増加し、男性の方が女性の3倍発症しやすく、日本の患者数は
約45万人(滲出型35万人・萎縮型10万人)で、年々増加傾向にあります。
 ※久山町研究
 http://www.envmed.med.kyushu-u.ac.jp/about/index.html

症状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
初期は視力低下・中心視野のゆがみや暗点ですが、進行すれば黄斑に出血を起こし
網膜剥離のため広範囲の視野障害を生じます。

検査
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■アムスラーチャート:
  碁盤の目が描かれた表の中心を見て、変視、中心暗点を検査する。

■眼底検査:
  検査前に瞳孔を散大させ、眼底写真から網膜や視神経の状態を調べる。

■蛍光眼底造影:
  フルオレセインやインドシアグリーン等の蛍光色素を静脈注射し、眼底の異常な
  新生血管の場所や程度をみる。

治療
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
残念ながら、失った視力を完全に回復させ、後遺症を含め完治させる治療法は現在
ありません。ただし、以下の治療で進行を止め、治療時点での視機能を保つことが
できます。まれに視力が回復する人もいます。
治療内容は、新生血管が中心窩に達しているか否か等、度合いによって異なります。

■レーザー光凝固術:
  新生血管がまだ黄斑部に及んでいない場合。
  レーザーで新生血管を直接凝固する。

■新生血管抜去術:
  新生血管が黄斑部にない場合、外科的に抜去するが術後暗点が生ずる事がある。

■黄斑移動術:
  新生血管が黄斑部にある場合、痛んでいない色素上皮のところに網膜を回転
させて移動させるが、結果として斜視や複視などの副作用がでる。

■経瞳孔温熱療法:
  低エネルギーのレーザー照射により新生血管の活動性を低下させる。

■内服薬物療法:
  出血予防のための止血剤、網膜や血管に栄養を与えるサプリメント(ルテイン・
  亜鉛・ビタミン・β―カロテン等)

■放射線療法:
  放射線照射により、新生血管を退縮させる。

■ステロイド:
  徐放性ステロイドを眼内に投与し新生血管の退縮を狙うが、緑内障を発症させる
  可能性もある。

■光線力学的療法:
  新生血管に集まりやすい物質を体内に注射し、それが網膜の新生血管に到達した
  時に非熱レーザーを数十秒照射すると化学反応により活性酸素を生じ、新生血管
  中の血液と結びつき血栓を作り新生血管を消退・遅延させる治療法で、
  一般的なレーザー凝固に比べて新生血管に特異的なため周囲の網膜組織まで
  傷つける危険性は低いので、2003年5月に認可された。費用は1回15万円程度
  だが、初回入院が必要で、その後も年3回程度の定期的な治療が必要。
  しかし、根治療法ではなく黄斑部に限定したもので、重篤な副作用もあるため、
  日本眼科学会はガイドラインを作成している。

■抗血管新生薬療法:
  新生血管の成長を活性化させるVEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える薬剤を
  眼内に直接注射するもので薬価は1回約12万円で6週に一度行う。
  2009年1月承認済み。

引受査定のポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
滲出型か萎縮型(ワンランク程度緩和)か?(不明の場合は滲出型として)
本疾患の現症については次のように評価するとよいでしょう。

生命: 視力についての特別障害不担保等の適用があれば、適用のうえ引受を考慮。
医療: 視力についての特別障害不担保等の適用があれば、適用のうえ、
     目の部位不担保全期間で引受を考慮。
がん:  商品内容により、引受を考慮。特定障害不担保等の適用。

また既往症については、経過年数に応じて不担保期間の緩和も考慮してもよいかも
しれませんが、基本的に完治のない(一時的に進行を防ぐ程度)疾患であることを
考えれば現症に準じた査定となるでしょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

戻る