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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 113◆◇ 2014.10.21

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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
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何らかの原因により、血小板が減少してしまう自己免疫性疾患で、国指定の難
病医療費等助成対象疾患です。
厚生労働省の研究班の報告によると、本邦における有病者数は約2万人で、年
間発症率は人口十万人あたり約2.16人つまり、年間約3000人が新規に
発症している計算になります。20~40代の若年女性のピークに加え、60
~80代でのピークも認められるようになってきていますが、高齢者の男女比
に性差はありません。

種類
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急性型と慢性型に分けられます。
急性型は、6ケ月以内に自然軽快し小児に多く、麻疹、風疹、水痘ウイルス
感染が原因となることが多いです。ウイルスと抗ウイルス抗体が免疫複合体を
形成し、血小板膜の受容体に付着し、これが脾臓で破壊されると発症すると言
われています。

慢性型は成人女性に多く、急性型がそのまま慢性化する場合と、成人になって
発症した場合に、慢性化することが多いです。大出血は少ないですが、若年女
性に多いため、月経、妊娠、出産時に問題になります。

検査
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血液では白血球は正常で、分画にも異常はなく、貧血も通常はありません。
また、PT時間やAPTTなどの凝固系異常も見られません。既に出血が著し
い場合には、フィブリノーゲンの異常やFDPの上昇、毛細血管抵抗試験は陽
性となります。骨髄検査は必須ではありませんが、ステロイド投与前には、白
血病を確実に否定するために行われます。厚生労働省の診断基準では、血小板
数は10万以下となっています。

症状
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紫斑(青あざ)、点状出血、粘膜出血などで、具体的には 歯肉出血、鼻出血、
下血、血尿、月経過多等ですが、関節内での出血は少ないです。血小板数が
3000/μlを切ると、頭蓋内出血の危険性があります。

鑑別診断
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白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、播種性血管内凝固症候群、血球
貪食症候群、偽性血小板減少症、SLE、各種感染症、骨髄癌転移、先天性の
血小板減少症等があります。

治療
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1.ヘリコバクター・ピロリ感染例では除菌により70%近い症例が血小板増加
 を示すので、第一選択治療となっています。

2.ヘリコバクター・ピロリ非感染例や、除菌療法で効果が無い例ではステロイ
 ド投与が行われます。それでも効果が無い場合には、免疫グロブリン大量投
 与が行われます。術前や分娩前など緊急を要する場合には、血小板輸血が行
 われることがありますが、一過性です。

3.上記内科的治療法で効果が 無い場合には、外科的に摘脾術が行われます。

4.治療抵抗性の場合には、レボレードやロミプレートなどのトロンボポエチン
 受容体作動薬が使用されます。

5.その他、アザチオプリンやサイクロフォスファミド、サイクロスポリンなど
 の免疫抑制剤やダナゾールなどが試みられることがあります。

予後
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小児では大部分が急性型で6ケ月以内に自然軽快することが多く、慢性型に移
行するのは10%程度で、成人慢性型では約20%は副腎ステロイドで治癒が期待さ
れますが、その後も長期のステロイド投与が必要になります。摘脾では約60%が
ステロイドなしでも血小板10万以上を維持できるようになりますが、5~20%は
治療に抵抗性で、出血に対する厳重な管理が必要となります。血小板数が3万
以上あり、出血傾向が軽微であれば、致命的な出血で死亡することは稀ですが
1万未満では重篤になります。

引受査定のポイント(摘脾の有無と急性か慢性か)
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<摘脾しないもの>
急性、一過性で完治の場合は、死亡保険、医療保険ともに引受延期~保険金
を制限するなどしての標準体での引受を考慮できるでしょう。
慢性や再発性、ステロイド治療中の場合は死亡保険も医療保険も引受延期と
したほうがよいでしょう。

<摘脾したもの>
再発がなく、完全寛解したものは、死亡保険、医療保険ともに、引受延期~
保険金を制限するなどしての標準体での引受を考慮できるでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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