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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 192◆◇ 2018.12.25

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外反母趾
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外反母趾とは、足の親指(母趾、第1趾)が、指のつけ根の関節(中足趾節間
関節(MTP関節)と呼ばれる)の部分で、外側へ曲がった(外反した)状態
をいいます。単に親指が外反するというだけではなく、親指のつけ根のもとに
ある骨(第1中足骨)は反対側に曲がり(内反)、親指に連なる骨全体は、ひ
らがなの「く」の字の様になっているのが特徴です(家庭医学館より抜粋)。

症状・病期
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軽度の外反母趾では母趾MTP関節内側に腫脹(バニオン)があり、靴を履い
た時に痛みを生じます。重度になると、母趾および二趾の足底部に痛みを生じ
ます。症状については、症状の進行程度により、可逆期(代償期)、拘縮期(
非代償期)、進行期(増悪期)、終末期という4つの時期に分ける分け方もあ
ります。女性の方が、ハイヒールをはじめとする細身の靴が多いことや、関節
が柔らかく筋力も弱いため、男性よりも圧倒的に多い(約9割)と言われてい
ます。

原因・種類
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1.靭帯性外反母趾は、足指のアーチをサポートしている横中足靭帯と呼ばれ
る靭帯が伸びたことが原因で引き起こされ、親指自体が大きく小指側へと
曲がります。
2.仮骨性外反母趾は、親指の付け根に重心が傾いた歩き方の癖がある人に多
く生じる傾向にあり、親指の付け根の骨のみが突出しています。
3.混合性外反母趾は、1、2のどちらかの症状しか出ていなかった人が、年
齢と共に、両方の症状が出てくるタイプです。
4.ハンマートゥ性外反母趾は、先天性の要素から引き起こされるもので、足
の指が上にそり上がるように向いていたり、元から足の指が長かったり、縮こ
まった足先の方がなりやすいタイプです。
5.病変性外反母趾は、リウマチやへバーデン結節、ケガ、事故などから引き
起こされたもので、脱臼や変形をしています。

検査・診断
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外見からでも診断は可能ですが、正確には足部の立位荷重状態でのレントゲン
写真で変形度を測り診断します。第一中足骨と第一基節骨のなす角を外反母趾
角といい、外反母趾診療ガイドラインでは20度以上を外反母趾としています。
そして、20~30度までを軽度、30~40度までを中等度、40度以上を重度として
います。また、第一中足骨と第二中足骨の長軸がなす角度をM1M2角といい
10度までが正常とされています。

治療
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治療は、保存的治療としては、母趾を外側へ圧迫する様な靴の使用を避け、足
指を開くような外反母趾体操を行います。手を使用したり足の筋肉で足指を開
いたり、ゴム紐を使用した体操(Hohmann体操)等があります。また、
装具療法として、足の土踏まずや横アーチを高くした足底挿板や外反母趾の矯
正器具の使用や、テーピング等があります。薬物療法としては、局所の炎症を
抑える為に塗り薬や湿布剤等の外用剤が使用されますが、効果が十分でない場
合は手術を行います。手術方法は、100以上もあるといわれてますが、最も
一般的な術式は中足骨の骨切り術です。また、母趾以外にも変形や痛みが及ん
でいる場合には、その指に対しても手術が行われる事があります。

予後
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外反母趾診療ガイドライン2014では、外反母趾手術後に再手術を要する頻
度が高い合併症は、変形再発、中足痛、内反母趾で、それらの再手術により症
状の改善は期待できる。また、遠位骨切り術や、近位骨切り術の10年前後で
の成績は比較的良好であるが、さらに長期については明らかではない。と記載
されており、合併症さえなければ予後は比較的長期まで良好と考えられます。

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引受査定のポイント
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現症は、死亡保険系は問題ありませんが、医療保険は部位不担保等の条件付で
の引受が妥当と思われます。
既往症は、死亡保険系も医療保険も標準体での引受が考慮できるでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 191◆◇ 2018.11.07

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限局性結節性過形成
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限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia FNH)とは、良性肝腫瘍性
病変の中で、肝血管腫に次いで頻度が高く、組織学的には正常もしくはほとん
ど正常の良性にみえる肝細胞より構成される結節と定義されています(シャー
ロック肝臓病学より)。この腫瘤は、腫瘍というよりもむしろ肝細胞が肥大し
たものと考えられています。

疫学
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欧米では剖検例で全ての肝原発腫瘤の約8%を占めるという報告もあり、女性
に多いとされていますが、わが国では男女を問わず稀な腫瘤です。単発のもの
が多い(8~9割)のですが、多発することもあります。経口避妊薬を内服し
ている人に多く発生するとされています。画像診断で偶然発見される場合には
2~5cm前後のものが多いのですが、大きいものでは、20cm径の報告もあ
ります。

原因
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根本的要因については不明ですが、局所動脈血流異常に伴う過形成性変化が成
因と考えられています。食生活やストレス、遺伝的要因によるもの、性ホルモ
ン、経口避妊薬によるものも考えられています。

症状・検査
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無症状なので、多くは検診のエコー検査で偶然発見されます。肉眼的には中心
の線維性瘢痕(中心星芒状瘢痕)が特徴的です。エコーやCT、MRIで特徴
的な所見が抽出されれば診断は容易ですが、確定診断に至らない場合には肝生
検を行います。また、肝機能の異常は見られず、肝硬変などの慢性肝障害も伴
いません。

鑑別疾患
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肝臓癌、肝血管腫、肝細胞腺腫、血管筋脂肪腫、腺腫様過形成、炎症性偽腫瘍、
大再生結節等があります。

治療
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治療は、経過観察でよいものもありますが、極めてまれに悪性化するという報
告もあるため、症状のあるもの、増大するものは肝切除が必要と言われていま
す。その他、肝動脈塞栓療法、放射線照射、エタノール注入法などが行われま
す。

予後
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800例のFNH症例中2例の悪性化があったという報告もありますが、正常
肝にも肝細胞癌が発生することを考えれば、一般的に予後は良好といえます。

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引受査定のポイント
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現症については、死亡保険系は引受可ですが、医療保険は部位不担保等の条件
付きでの引受を考慮します。既往症については、死亡保険系も医療保険も、標
準体での引受を考慮できるでしょう。 

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 190◆◇ 2018.10.19

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川崎病
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川崎病とは、主に4才以下の乳幼児がかかる全身の血管炎症候群のことで、発
熱、発疹、冠動脈病変等様々な症状を引き起こし、「小児急性熱性皮膚粘膜リ
ンパ節症候群」とも言われますが、1967年に小児科医の川崎富作が報告したこ
とから、世界的にも一般的には川崎病と呼ばれます。全国調査では、1982年と
1986年に流行しましたが、1980年代後半から1990年代は毎年約6000人の子供
がかかっていました。1歳をピークとして主に4才以下の乳児がかかり、男子
が女子の約 1.5 倍です。冠動脈径8mm 以上の巨大瘤をもつ患者が毎年 0.5 %
(200人に1人)いて、川崎病による死亡率は0.05%(2000人に1人)となっ
ています。(国立循環器病研究センター 循環器情報サービスより)

原因
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夏と冬に多く、地域流行性もあることから、何らかの細菌やウイルス感染に対
して生じる免疫反応が過剰になることが血管の炎症を引き起こすのではないか
と考えられており、この他にも体質や発症に関与する遺伝子が日本で発見され
ていますが、はっきりした原因というものは分かっていません。

症状・診断
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症状による診断基準が定められており、
1.発熱は5日以上続く事が多く、通常の解熱剤ではほとんど下がりません。
2.両目の充血。
3.イチゴ舌。
4.大小さまざまの形の発疹が手足や体に多く見られます。
5.四肢末端の変化として手足が硬く腫れ、回復期は手足の皮膚がペロンとむ
  けます。
6.非化膿性頸部リンパ節腫脹
の6症状のうち5つを満たせば川崎病と診断されますが、5つ当てはまらない
不全型の川崎病もあります。その他の急性熱性症状としては腹痛、下痢、黄疸、
関節痛、頭痛、けいれんがあります。また、炎症により冠動脈瘤が生じ、心筋
梗塞が発症しやすくなる事がこの疾患の最も重要な点で、上記診断が4つだけ
でも冠動脈瘤があれば川崎病と診断されます。

検査
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血液検査では、炎症反応を示すCRPや白血球が高くなり、蛋白の低下、肝機
能の異常が見られることがあります。冠動脈瘤の有無を調べるために、心臓の
超音波や必要に応じて血管造影などを行います。

治療
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急性期には、炎症を抑え、血液が血管内で固まるのを防ぐためにアスピリンを
内服します。冠動脈瘤予防のために、血液製剤であるガンマグロブリンを点滴
します。効果がない場合には、ステロイドの投与や血漿交換療法を行う場合も
あります。冠動脈瘤がある場合には、大きさによってアスピリン、その他の抗
凝固剤薬の内服を続ける必要があります。出来てしまった冠動脈瘤の約半数は
発症後1~2年で小さくなりますが、重症で、心筋梗塞を起こす可能性がある
場合には、バイパス手術やバルーン治療、血管内腔を削る治療法が選択される
場合もあります。

予後
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症状がなくなり、冠動脈瘤がなくなれば通常の生活に戻れます。再発する確率
は 2~3 %といわれています。大きな冠動脈瘤の場合は、10年間で約60%、15
年間で約70%が冠動脈に狭窄や閉塞が見つかっています。
そのうち3分の2は何の症状もない無症候性心筋梗塞ともいわれます。残りの
3分の1は心筋梗塞の症状が認められ、このうち約20%が死亡という報告もあ
るので、小中高校生以降も定期的な検診は必要と思われます。

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引受査定のポイント(4才以下の乳幼児に多い)
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現症の場合は死亡系も医療も延期としたほうがよいでしょう。
既往症については、告知期間内は、死亡保険系も医療保険も延期とした方がよ
いでしょう。告知期間を経過すれば、死亡保険系も医療保険も標準体で引き受
けて問題ないと思われます。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 189◆◇ 2018.09.28

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縦隔腫瘍
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縦隔とは、左右の肺に挟まれた領域のことを指しています。ここには、心臓、
大血管、気管気管支、食道、胸腺、リンパ管や種々の神経等の臓器があります。
縦隔腫瘍とは、これら縦隔内に発生した腫瘍の総称で、発症年齢は小児から高
齢者まで幅広く、縦隔の位置により、前縦隔、中縦隔、後縦隔に分類され、悪
性のものも、良性のものもあります。

分類
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前縦隔には、胸腺腫、甲状腺腫瘍、奇形種、脂肪腫、リンパ腫、心膜嚢腫、動
脈瘤、血管腫様腫瘍等があります。中縦隔には、気管支原性嚢胞、リンパ腫、
胸膜心膜嚢腫、血管腫瘤等があります。後縦隔には動脈瘤、気管支原性腫瘍、
食道憩室、神経原性腫瘍、腸管嚢胞等があります。
縦隔腫瘍で手術を受けた症例で最も多いのは胸腺腫で約40%、次に先天性嚢胞
で15%、神経原性腫瘍が13%となっており、胚細胞腫瘍が約8%、胸腺がんと
悪性リンパ腫は共5%、甲状腺腫、その他となっています(日本呼吸器学会の
ホームページより)。
悪性腫瘍としては、胸腺がん、胸腺カルチノイド、リンパ腫、セミノーマ等の
胚細胞腫瘍等があります。胸腺腫は以前は良性が多かったのですが、2015年W
HO分類の発行以降、悪性と判断されることが多くなりました。良性腫瘍とし
ては、神経原性腫瘍の神経節細胞腫、神経線維腫、神経鞘腫や甲状腺腫、胸腺
嚢胞、気管支嚢胞、心膜嚢胞等の嚢胞性疾患があります。

症状
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約半数が無症状で、検診や他疾患の検査中に偶然発見されることが多いのです
が、周囲臓器の圧迫や浸潤によって、咳、息苦しさ、上大静脈の閉鎖によるむ
くみ、声のかすれ、瞳孔の縮小、発汗異常等の交感神経障害症状があります。
また、胸腺腫の20~30%には重症筋無力症が合併していることがあり、筋力低
下、眼瞼下垂、脱力、目のかすみ、嚥下障害等の症状が認められます。リンパ
腫では発熱、体重減少、小児では気管支炎、肺炎、喘鳴等の閉塞性呼吸器症状
が生じます。

検査
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胸部X線をはじめ、CTやエコー、MRI、PET検査等を行い、腫瘍の位置
や大きさ、周囲への浸潤、悪性かどうか等を判断します。また、診断確定のた
め、CTガイド下で経皮的、縦隔鏡や胸腔鏡を用いて組織を採取することもあ
ります。血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(卵黄嚢がん、胎児性が
ん)、HCG-β(絨毛がん)、CEA、sIL2-R(悪性リンパ腫)があり、抗ア
セチルコリン受容体抗体は重症筋無力症で上昇します。

治療
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腫瘍の種類によって治療方針は異なり、良性で小さい場合には経過観察とする
こともありますが、悪性変化、増大、破裂することもあるので、一般的には手
術で摘出します。悪性の場合には、手術、放射線治療、抗がん剤のいずれか、
または術後に抗がん剤や放射線療法を組み合わせた治療が行われます。

予後
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悪性度の低いものから極めて高いものまで多彩で、病期によっても異なります。
例えば、胸腺がんの5年生存率は約35%です。胚細胞由来の腫瘍は、セミノー
マと成熟型奇形種は予後が良いですが、それ以外はあまりよくありません。

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引受査定のポイント
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現症については、死亡保険系も医療保険も延期としたほうがよいでしょう。
既往症については悪性でなければ、死亡保険系も医療保険も引受可で問題ない
でしょう。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 188◆◇ 2018.08.23

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鼻ポリープ
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鼻ポリープは、鼻の粘膜の炎症によって出来るゼラチン様、ぶどう様の半透明
な増殖性病変で、茸の様な形状から、別名「鼻茸」とも呼ばれます。副鼻腔の
開口部付近に、通常は両側性に発生します。20~60才頃までの成人に約1%の
頻度で生じます。ポリープが小さいうちは鼻汁が出る程度ですが、大きくなっ
て鼻腔を塞ぐようになると、頭痛、鼻内圧迫感、嗅覚障害、記憶力減退、耳管
狭窄等の症状が生じます。

原因
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鼻ポリープの約90%に慢性副鼻腔炎が見られ、1/3は成人型喘息と関連して
発生するといわれることから、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎の分泌物の刺激によっ
て粘膜が腫れるという炎症性産物説と、IgE抗体や好酸球等の局所のアレル
ギー反応で生じるというアレルギー説がありますが、確かな原因は不明です。

検査
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鼻鏡で鼻腔を見れば容易に診断できますが、しばしば周囲の粘膜と区別できな
かったり、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎を合併していたり、鼻中隔湾曲症があって
その奥の鼻ポリープを見逃すこともあるので、ファイバースコープ、顔面X線
検査、CT等を行って調べます。

治療
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鼻ポリープは副鼻腔の感染に伴って生じるので、感染が治まれば消失する場合
もありますが、徐々にできてきて消えない場合もあります。症例の約半数は副
腎皮質ホルモンの点鼻薬か錠剤により小さくなりますが、1ケ月続けても小さ
くならないようであれば手術が必要となります。手術では、鼻ポリープの茎部
を含めて摘出します。副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症、アレルギー性鼻炎等の合併が
あれば同時に治療を行いますが、多くは内視鏡を用いて行われます。

予後
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鼻ポリープは、炎症によるものであり、通常両側の鼻腔に複数発生するため、
悪性のリスクはありません。よって、片側のものについては、まれに悪性のこ
とがあるので注意が必要です。
そして、アスピリン喘息等、喘息に伴って発症する鼻ポリープは、手術後再発
しやすいといわれています。同様に、特殊な副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎
(難病指定)や、アレルギー性真菌性副鼻腔炎が原因の場合も、鼻ポリープを
切除しても後も高い割合で再発すると言われています。

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引受査定のポイント
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現症の場合、死亡保険系は引受可、医療保険は部位不担保等の条件付での引受
としてよいでしょう。既往症については、手術済みで全治していれば、死亡保
険系も医療保険も標準体での引受として問題ないでしょう。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 187◆◇ 2018.07.09

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GIST
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GISTとはGastrointestinal stromal tumorの略で、消化管間質腫瘍とも言
われます。胃や腸などの消化管の内側は、粘膜に覆われており、その下に粘膜
筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜がありますが、筋肉層である固有
筋層にあるカハール介在細胞の前駆細胞が異常に増殖し腫瘍化した疾患です。

病理・部位
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GISTの起源となるカハール介在細胞は消化管運動のペースメーカー細胞と
して機能し、細胞膜を貫通するKIT蛋白という表面抗原を有しており、c-kit
遺伝子によりコードされ受容体型チロシンキナーゼとして機能しますが、c-kit
に変異があって過剰発現しているもの、あるいはKIT蛋白は証明できないが、
平滑筋や神経鞘への分化も証明できず、かつCD34等の特異抗原が認められ
るもの等がGISTと定義されています。部位としては胃が約60%、小腸約
30%、大腸と食道は合わせて約10%程度と稀です。発症率も人口10万人
に1~2人と稀で、50~60代に多いと言われます。

症状
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自覚症状は少なく、吐き気や下血や貧血、腹痛、大きくなれば、腹部の腫瘤と
して発見されることもありますが、小さいうちは症状が出にくく、胃の内視鏡
で粘膜下腫瘍として長期に経過観察されている場合以外は発見が遅れがちです。

検査・鑑別
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胃内視鏡では粘膜表面しか組織採取できないので、疑わしい場合、超音波内視
鏡で、より深く穿刺して組織を採取するEUS-FNAが行われます。次に、
免疫組織染色を行いますが、消化管筋層内にある正常細胞の中で、KIT蛋白
とCD34の両方を有している細胞は、カハールの介在細胞だけなので、KI
T蛋白、およびCD34(血管内皮や幼弱な造血細胞と共通する表面抗原)の
存在を確認する事により平滑筋組織や末梢神経由来の腫瘍と区別します。また
CT・MRIにて腫瘍の形態や大きさ、転移の有無等を調べます。鑑別として
平滑筋腫、リンパ腫、消化管嚢胞、線維腫、血管性腫瘍、脂肪腫、好酸球肉芽
種、顆粒細胞腫、異所性膵、カルチノイド、癌、転移性腫瘍等が挙げられます。

治療
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小さくて組織採取が難しい場合や無症状の場合は経過観察となる事もあります
が、GISTと診断された場合は、日本のガイドラインでは大きさに関わらず
手術による治療が勧められています。GISTが見つかった時点で主病巣以外
の転移がある場合には内科的な化学療法の適応となり、その後外科的切除を考
慮する事もあります。GISTは粘膜下にありますが、胃癌や大腸癌に比べて、
浸潤傾向が少なく、リンパ節転移も非常に稀とされているので、部分切除や、
大きさが5cm以下の場合には腹腔鏡による切除も考慮されます。また、切除
困難例や、術後の補助療法としては、イマニチブ等の化学療法が行われます。

悪性度
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胃以外のGISTは全て悪性と考えられていますが、胃については、切除する
様な胃GISTは全て悪性という説がある一方、悪性は約25%程度である
という文献もあります。良性か悪性かという基準については、再発率により、
高リスク、中リスク、低リスク、超低リスクに分けて考える事が一般的です。
そして、このリスク分類については腫瘍の大きさと、腫瘍細胞の核分裂像数の
2因子によるマトリックスの表により決定されます。つまり、腫瘍の大きさが
大きい程、核分裂像数(腫瘍の増殖度)が大きい程再発率が高く、悪性度が高
いとされ、中リスク、高リスクが悪性とされています。(WHO分類2010)

予後
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GISTの再発は3年以内に多く、腹部内に再発する事が多く、腹膜播種や肝
臓への転移もしばしばみられます。単なる大きさだけの再発率では、2cm未
満は1%、2~5cmは10%、5~10cmは30~40%、10cm超で
は70%以上と言われています。(大阪大学の286例のデーターより。)

引受査定のポイント(胃以外は悪性として)
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現症は死亡保険系も医療保険も延期としたほうがよいでしょう。
既往症については、部位が胃で、低リスク以下であれば、死亡保険系は引受可、
医療保険は延期~引受可を考慮できるでしょう。それ以外では死亡保険系は延
期~保険金削減等の条件付での引受、医療は延期としたほうがよいかもしれま
せん。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 186◆◇ 2018.06.21

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肺過誤腫
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過誤腫は、組織成分が過剰発育した点は腫瘍と似ていますが、新生物というよ
りも、組織奇形ともいうべきものです。その発育は限局性で、生物学的には良
性ですが、正常組織の中に異常組織が混合したり、先天的に迷入したり、ある
いは退縮するはずの組織が残って腫瘤を形成するものです。肺に生じたものを
肺過誤腫といい、肺の良性腫瘍の中では最も頻度が高い疾患です。

病理・部位
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病理学的には「臓器や器官に固有の細胞や組織成分が、臓器内で過剰に発育ま
たは過剰増殖することである。過誤腫の構成細胞は周囲の正常細胞と同一であ
り、成熟した細胞で占められる。しかも、過誤腫から正常な組織や器官が派生
することはない。」と定義されます。過誤腫には、軟骨、脂肪、平滑筋、上皮
成分等の肺を構成する組織成分が混在している肺過誤腫が多く、大きく軟骨性
と非軟骨性に分けられますが、後者は10%前後であり稀です。また、肺以外
にも、乳房、胸膜、胆管、脾臓、肝臓、視床下部、網膜、視神経等にも認めら
れることがあります。

症状
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急速に大きくなることがないため、小さいうちは無症状で、多くは健康診断の
レントゲンや他疾患でのCTで偶然発見されます。大きくなれば、咳、咳嗽等
の症状が、気管支を狭窄する場所に出来れば肺炎を生じます。

診断・検査
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胸部レントゲンやCT検査では、肺がんと見分けがつかず、気管支鏡で一部を
採取しても判断が難しいため、多くは手術により摘出後に最終的に判断されま
す。レントゲン上の特徴としては、末梢に多く、境界明瞭な腫瘤として認めら
れ、coin lesion と言われます。腫瘍内部は不均等で、石灰沈着が見られるこ
とがあり、ポップコーン様石灰化像と言われます。1cm以上の大きさであれ
ば、PET検査で、良性、悪性の見分けが可能と言われています。

治療
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無症状で小さい場合には経過観察を行いますが、症状がある場合や増大傾向、
悪性との区別がつかない場合等は外科的に切除します。通常は核出術、楔状切
除ですが、大きい場合には、区域切除、肺葉切除も行われます。

鑑別
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肺癌、肺肉芽腫、器質化肺炎、肺結核、硬化性血管腫、クリプトコッカス症、
MALTリンパ腫、軟骨腫、平滑筋腫、肺カルチノイド等があります。

予後
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手術により完全に摘出除去すれば、再発は殆どありません。外国での報告では、
500例で悪性化した例はなく、切除後10年と12年後に2例だけ局所再発
したと報告されています。また、悪性疾患との関連を示唆する報告もあります
が、因果関係は明らかではありません。

引受査定のポイント
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現症については死亡保険も医療保険も延期としたほうがよいでしょう。
既往症については死亡保険・医療保険共に標準体での引受として問題ないで
しょう。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 185◆◇ 2018.05.23

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眼瞼下垂
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まぶたを上げるのは「眼瞼挙筋」という筋肉で、その筋肉を「動眼神経」とい
う神経を使って動かしています。眼瞼下垂とは、眼瞼挙筋または動眼神経の異
常で、文字通り眼瞼(まぶた)が垂れ下がってしまう疾患です。上眼瞼縁が正
常の位置=黒目(角膜)の上方が少し隠れる=よりも下がっている状態をいい
ます。

分類・原因
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大きく「先天性」眼瞼下垂と「後天性」眼瞼下垂、「偽」眼瞼下垂に分けられ
ます。先天性は眼瞼挙筋の働きが不十分なことが原因で約80%が片側性です。
後天性で最も多いのが加齢性(老人性)眼瞼下垂で、加齢により眼瞼挙筋と眼
瞼の支持組織である瞼板や皮膚との間の結合が緩むことが原因で、多くは眼瞼
挙筋の機能自体は良好です。その他としては、神経麻痺(動眼神経麻痺や重症
筋無力症)や筋肉に問題があるミトコンドリアミオパチーや筋強直性ジストロ
フィーやコンタクトレンズの長期装着者、白内障や緑内障等の手術の既往で生
じることもあります。偽眼瞼下垂とは、本当は眼瞼下垂ではないのに、眉毛下
垂や眼瞼痙攣、眼瞼皮膚弛緩症、眼球陥凹、小眼球症等により、一見、眼瞼下
垂のようにみえてしまう状態です。

症状
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視界が制限され、無意識に眉毛や顎をあげて瞼を開こうとするため、頭痛や肩
こり、腰痛、眼精疲労、鬱などの症状を併発することがあります。軽度で両側
性の場合には自覚症状も少なく、気づかない場合もありますが、重症になると
怪我や転倒、自動車事故等の危険性もあります。

診断・検査
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正面から見て、上眼瞼が瞳孔にかかっていたら眼瞼下垂と言われます。どのタ
イプの眼瞼下垂かを診断するために、上眼瞼挙筋機能の移動距離測定をします。
正常は15mm程度であり、加齢性の眼瞼下垂の場合は、この機能は正常に保
たれています。日常生活で急に眼瞼が下垂した場合には脳梗塞、脳動脈瘤や糖
尿病等による動眼神経麻痺の可能性もあるので、CTやMRIで頭蓋内病変の
有無や血液検査をします。夕方になると下垂する日内変動がある場合には、重
症筋無力症の可能性があり、血液検査や抗コリンエステラーゼを静注するテン
シロンテストや胸腺腫の有無等を調べます。筋肉自体に問題があるミトコンド
リアミオパチーや筋強直性ミオパチーは非常に稀ですが、念頭においておくこ
とは必要です。

治療
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瞼が瞳孔にかかっていないような極軽度の眼瞼下垂で、視野が狭窄していない
様な美容的な手術のものは保険適応がありません。それ以外で、上眼瞼挙筋機
能が十分にある場合は、挙筋短縮術や挙筋前転術等の挙筋腱膜のずれを整復す
る手術を行います。上眼瞼挙筋機能が十分ではない場合には、前頭筋吊り上げ
術という、おでこの筋肉や、眼の周りの眼輪筋を利用して瞼を動かす手術を行
います。頭蓋内病変や、胸腺腫等基礎疾患がある場合には、そちらの治療も行
います。

予後
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術後1か月で自然な状態になり、数か月で完全に回復しますが、個人差もある
ので、再手術の適応になることや、容姿を気にする人等では美容外科的な手術
をすることもあります。

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険系は標準体での引受で問題ありませんが、医療保険は部位不
担保等の条件付での引受となるでしょう。既往症については、どちらも標準体
で引き受けて問題ないでしょう。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 184◆◇ 2018.05.11

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粉瘤(アテローム)
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粉瘤(アテローム)とは、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、本来皮膚
から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が剥げ落ちずに袋の中に
たまってしまってできた腫瘍の総称です。身体のどこにでもできますが、顔、
首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。中央に黒点状の開口
部があるのが特徴です。(日本皮膚科学会Q&Aより)

原因
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発生の原因は、判らない場合が多いのですが、打撲や外傷などの後や、ニキビ
痕にできることもあります。皮膚の上皮成分(表皮や外毛根鞘)が皮内や皮下
に落ちて袋を形成し、その中に粥状をした垢や脂が貯まってできた固まりです。
(日本形成外科学会ホームページより)

症状
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小さいうちは無症状で、自然になくなることもありますが、粉瘤には中央に小
さな穴が開いていて、そこから細菌が入り込み感染を起こすと、徐々に大きく
なり、大きいものでは野球のボール大になることもあります。細菌感染を起こ
し、急に大きさを増し、赤く腫れて疼痛を伴い、皮膚が破けると、中から膿汁
と粥状の塊を排出します(感染性粉瘤)。そして、無理に圧迫して膿を出そう
とすると袋が破れて膿皮症という状態になり、慢性化することもあります。

診断・検査
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通常は、見た目だけで診断できますが、診断に疑いがある場合には、手術によ
って摘出し、病理学的な検査を行います。また、巨大な場合や深い場合には、
周囲との関係を見る為に、超音波やCT-MRIをすることもあります。

治療
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感染のない場合には、腫瘍の1~2倍の長さで開口部を含めて紡錘形に皮膚切
開をして内容物を袋ごと摘出し、皮膚縫合し瘢痕を目立たなくします。感染が
軽度の場合には、抗生剤や抗炎症薬で鎮静化させてから摘出します。感染が高
度の場合には、一度切開・排膿して開放治療をし、期間をおいて摘出します。
大部分は小さいもので、局所麻酔で日帰り手術も可能ですが、大きいものや、
深いものでは、全身麻酔や入院が必要となる場合もあります。

鑑別
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石灰化上皮腫、脂肪腫、ガングリオン、脂腺嚢腫症、類皮嚢腫(デルモイドシ
スト)、耳前瘻孔、側頚嚢腫、正中頚嚢腫、毛巣洞等があります。

予後
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手術により完全に摘出除去すれば、再発は殆どしないと言われますが、切開排
膿や、抗生剤投与による炎症抑制だけでは、再発することが多くあります。急
激に大きくなった粉瘤の中から基底細胞癌が発見された稀な例はありますが、
大部分の生命予後は良好です。

引受査定のポイント
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現症は死亡保険も医療保険も引受可で問題ないでしょう。ただし、手術予定等
は除きます。既往症については死亡保険も医療も共に引受可として問題ないで
しょう。

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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 183◆◇ 2018.04.11

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限局性強皮症
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限局性強皮症とは、境界明瞭な皮膚硬化局面があり、病理学的に真皮の膠原繊
維の膨化・増生がある疾患です(ガイドラインより)が、皮膚のみならず、皮
下の筋肉や関節、神経系にも病変が及ぶ事もあります。同じ強皮症という言葉
で「全身性強皮症」という難病の膠原病がありますが、この2つの疾患は全く
異なる疾患で、移行する事もありません(ガイドラインより)。

種類・症状
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1.班状強皮症(モルフィア):円形または楕円形の皮膚硬化で境界がはっきり
 した淡紅色のやや盛り上がった発疹が背中、胸、腹部に単発または複数見ら
 れます。皮膚は硬化、萎縮し色素脱色が見られます。
2.線状強皮症:四肢や顔面に線状または帯状に境界明瞭な皮膚硬化が見られ、
 時に筋肉や骨にまで及ぶことがあり、変形や関節の機能障害を生じることも
 あります。顔や頭部の場合には剣創状強皮症と呼ぶこともあり、頭部では脱
 毛を伴うことが多くあります。
3.汎発性限局性強皮症:1と2のいずれかあるいは両方が全身に多発するもの
 です。
4.滴状限局性強皮症:直径3mm程度の水滴の様な小型の硬化が認められます。
5.深在性限局性強皮症:皮膚ではなく、皮下脂肪組織中心に硬化が起こるため
 見た目に変化がありませんが、触ると皮下にしこりが触れる特殊型です。
6.ケロイド様限局性強皮症は、皮膚が陥没する様な一般的な限局性強皮症とは
 対照的に、盛り上がってケロイド様に見える特殊型です。結節性限局性強皮
 症とも呼ばれ、時々全身性強皮症に伴って見られます。

原因
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原因は特定されていませんが、外傷や化学薬品、有機溶剤等の化学物質や班状
強皮症についてはマダニ媒介によるボレリア感染症があげられます。

診断・検査
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視診で大体診断可能ですが、皮膚生検すれば診断はいっそう確実になります。
活動性を評価する検査としては、サーモグラフィー検査、ドップラーエコー
検査、血液ではCK(クレアチニンキナーゼ)やミオグロビン等があります。

鑑別疾患
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全身性強皮症、限局皮膚硬化型全身性強皮症、深在性エリテマトーデス、結合
織母斑、菌状息肉症、局面状類乾癬、ケロイド、肥厚性瘢痕、好酸球性筋膜炎
等があります。

治療
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無治療でも数年後に自然治癒することも多いのですが、局所療法としてはステ
ロイド軟膏、免疫抑制剤外用、ヒスタミン軟膏等の外用療法と、病変部に紫外
線を照射する光線療法があります。全身療法は、病変が局所療法では届かない
ような深部(筋肉や骨)や局所療法では効果がない場合に行われ、ステロイド
の内服や免疫抑制剤の併用が行われます。この他、顔や目立つ場所に痕が残る
ような場合には形成外科的な手術を行うことがあります。関節に機能障害が生
じる場合はリハビリが行われます。

予後
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欧米では、3~5年で約50%の患者さんに活動性がなくなったというデータ
がありますが、その後そのうちの約30%の方が限局性強皮症を再発するとも
いわれおり、特に小児期に発症した場合には再発率が高いといわれます。

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険系は割増などの条件付~標準体での引受を考慮できるでしょ
う。医療保険については、延期~部位不担保等の条件付での引受を考慮できる
でしょう。既往症の場合は、死亡保険系も医療保険も引受可として問題ないで
しょう。

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